ケーブルマシンでアップライトロウをやってみようと思っても、「プーリーはどこに合わせる?」「ロープとバーはどちらを使えばいい?」「肩より僧帽筋に効くけど合っている?」と、実際にマシンの前へ立つと迷うところがいくつかあります。
ケーブルアップライトロウは、低い位置からケーブルを引き上げ、三角筋中部や僧帽筋を使うトレーニングです。最初から細かなことを全部覚える必要はありません。まずは、プーリーを低く合わせて、手ではなく肘を外へ上げる ところから始めればOKです。
ここでは、基本フォームに加えて、ロープ・バー・左右ハンドルの違い、手幅、引く高さ、重量の決め方まで順番に解説します。LIFIX GYMでケーブルマシンを使うときに確認できる設備やサポートも紹介します。
ケーブルアップライトロウは低い位置から肘を外へ引き上げる
基本の動きはそれほど複雑ではありません。プーリーを低い位置に合わせ、身体の前を通るようにケーブルを引き上げます。重量を決める前に、まず立ち位置と肘の動きを合わせてみましょう。
プーリーを低い位置にセットし、ケーブルの正面に立つ
アップライトロウでは、ケーブルが下から上へ引かれる位置にプーリーをセットします。アタッチメントを持ったら、両足で安定して立てる幅に足を開きます。
立つ場所も少し大事です。マシンへ近づきすぎるとケーブルはほぼ真上へ進み、離れすぎると身体が前へ引かれやすくなります。腕を下ろした状態でもケーブルに軽く張力が残り、そのまま身体の前を通して引ける位置を探してください。
手で持ち上げるより、肘を外側へ上げる
動き始めは、アタッチメントを手で持ち上げようとするより、左右の肘を外へ広げながら上げます。手は肘の動きについてくるくらいで構いません。
肩の横側を狙うなら、「手を高くする」より「肘を外へ動かす」と考える方がフォームをつかみやすいです。
肘が肩の高さ付近まで来たらゆっくり戻す
引き上げる位置は、肘が肩の高さ付近まで来るところを一つの基準にします。「できるだけ高く上げる」種目ではないので、顎まで持ち上げることにこだわる必要はありません。
上げたら、そのまま重りを落とさずにスタート位置へ戻します。上げるときだけではなく、戻すときも同じ軌道を通るようにすると動きが安定します。
肩の横だけでなく僧帽筋も使う
ケーブルアップライトロウで主に使うのは、肩の外側にある三角筋中部と、首から肩・背中上部へ広がる僧帽筋です。肩を鍛えているのに僧帽筋へ刺激を感じても、それだけでフォームが間違っているわけではありません。
三角筋中部は腕を外側へ上げるときに使う
三角筋中部は、上腕を身体の横方向へ持ち上げるときに働く肩の筋肉です。ケーブルアップライトロウでは、肘を左右へ開きながら持ち上げる動きの中で使われます。
「肩の横に効いている感じが少ない」というときは、手の位置ばかり見ず、肘が外へ動いているかを一度見直してみてください。
僧帽筋に入ること自体はおかしくない
腕を上げると肩甲骨も一緒に動くため、アップライトロウでは僧帽筋も使います。「僧帽筋を感じる=失敗」と考える必要はありません。
ただし、三角筋中部を狙っているのに首の付け根ばかりが先に疲れるなら、重量が重すぎたり、肩を大きくすくめたりしている可能性があります。この場合は重量や動作範囲を調整します。
ロープ・バー・左右ハンドルで動かしやすさが変わる
ケーブル版の面白いところは、プーリーの高さだけでなく、使うアタッチメントも変えられることです。低い位置から抵抗を受けながら引く点は同じですが、ロープ・バー・左右ハンドルでは手首や手幅の自由度が変わります。
「初心者なら絶対にこれ」というアタッチメントはありません。肘を外へ上げやすく、手首が窮屈になりにくいものを選べば十分です。
ロープは左右の手をそれぞれ動かせる
ロープは左右の端を別々に持つので、引き上げながら手の間隔を少し変えられます。手首の向きもストレートバーほど固定されません。
肘を上げたときに自分が動かしやすい位置を取りやすい一方、左右の高さや手幅は自分でそろえます。
バーは同じ手幅を再現しやすい
ストレートバーなどでは、毎回同じ位置を握れば手幅をそろえやすくなります。「前回と同じ幅で試したい」というときも分かりやすい方法です。
握る位置を極端に狭くする必要はありません。まずは肩幅程度から始め、肘を外へ上げやすい幅へ調整します。
左右ハンドルを交差させる方法もある
左右に独立した低いプーリーとハンドルを使える場合は、右側のケーブルを左手、左側のケーブルを右手で持ち、身体の前で交差させるクロスケーブルという方法もあります。
左右の腕を別々に動かすため、ロープや一本のバーとはケーブルが引く方向も変わります。まず通常のフォームに慣れてから試すバリエーションとして覚えておけば十分です。
手幅と引く高さは「肩幅・肩の高さ付近」から調整する
アップライトロウは、握る幅や肘を上げる高さによって動き方が変わります。「狭く握って顎まで引く」と一つの形だけを覚えるより、まず肩幅程度の手幅と、肘が肩付近まで来る高さを基準にすると調整しやすくなります。
手幅は肩幅程度から試してみる
トレーニング経験のある男性16名を対象にしたアップライトロウの研究では、グリップ幅によって三角筋や僧帽筋、上腕二頭筋の筋活動に違いがみられています。広いグリップ条件では、三角筋や僧帽筋の活動が高まる傾向が確認されました。
ただし、この研究はケーブル+ロープを直接比べたものではありません。ケーブルアップライトロウでは、まず肩幅程度から始めて、手首に無理がなく肘を外へ上げやすい幅へ少しずつ調整するのが分かりやすい方法です。
参考:McAllister MJ, et al. Effect of grip width on electromyographic activity during the upright row. J Strength Cond Res. 2013;27(1):181-187. DOI: 10.1519/JSC.0b013e31824f23ad
顎まで引き切らず、肘が肩付近まで来たら戻す
アップライトロウは、解説によって胸付近まで、肩より上まで、顎付近までと説明が分かれます。初心者なら、肘が肩の高さ付近まで来たところを基準にすると、毎回の動作範囲をそろえやすくなります。
Schoenfeldらも、肩に症状がない人について、上腕を肩の高さより少し低い位置までに抑える修正版を提案しています。高く上げることを競わず、肩に強い痛みや鋭い引っ掛かりが出ない範囲で行います。
参考:Schoenfeld B, Kolber MJ, Haimes JE. The Upright Row: Implications for Preventing Subacromial Impingement. Strength Cond J. 2011;33(5):25-28. DOI: 10.1519/SSC.0b013e31822ec3e3
重量はフォームを保てる範囲から始めればOK
最初から「何kgなら正解」と決める必要はありません。ケーブルマシンは機種によって重量表示や滑車の構造も違うため、kgだけを見るより、上体と肘の動きを崩さず扱えるかを基準にします。
最初の重量でチェックしたいところ
・上体を大きく後ろへ反らさず引ける
・膝の反動を使わず肘を外へ上げられる
・戻すときも重りを落とさずコントロールできる
身体を反らさないと上がらないなら少し軽くする
重量が重くなると、腰を反らしたり膝で勢いを付けたりするとケーブルを上げやすくなります。ただ、それが毎回必要なら少し重すぎます。
一段軽くして、肘の位置と上体がそろったまま動かせるかを見てみましょう。重さを増やすのは、そのフォームが安定してからでも遅くありません。
肩が大きくすくむなら重量か高さを調整する
アップライトロウでは僧帽筋も働くので、肩甲骨が動くこと自体は自然です。ただ、首を縮めるように肩を強く持ち上げないとケーブルが動かない場合は、重量を軽くしてみてください。
肘を肩付近まで上げる前に肩が大きくすくむなら、引き上げる高さを少し下げて比べる方法もあります。
腕ばかり疲れるなら手首の動きを見る
前腕や上腕が先に疲れるときは、手首からアタッチメントをすくい上げるような動きになっていないか見てみます。手を高くしようとすると、肩よりも腕で引きやすくなります。
一度重量を軽くして、肘を左右へ広げる動きから始めてみると違いを比べやすくなります。
回数やセット数は、トレーニングの目的によって変わります。「初心者なら必ず8~12回」と固定して考える必要はありません。
2026年のAmerican College of Sports Medicine(ACSM)のポジションスタンドでは、筋力向上では高い負荷と1種目あたり2~3セットが有利と整理される一方、筋肥大は特定の一つの回数帯だけに限定されていません。初めて行うなら、まずはフォームを保てる重量で動きを覚え、その後に目的へ合わせて負荷やトレーニング量を調整します。
参考:Currier BS, et al. American College of Sports Medicine Position Stand. Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults. Med Sci Sports Exerc. 2026;58(4):851-872. DOI: 10.1249/MSS.0000000000003897
途中でやめた方がいいサイン
・肩に強い痛みや鋭い引っ掛かりを感じる
・めまい、吐き気、胸の違和感、息苦しさ、しびれなどが出る
・違和感が続く場合は運動を中止し、必要に応じて医療機関へ相談する
LIFIX GYMではケーブルマシンを実際に使える
LIFIX GYMには、アジャスタブルケーブルクロスオーバーを設置しています。プーリーの高さを変えられるので、アップライトロウをはじめ、さまざまなケーブル種目に使えるマシンです。
各トレーニングマシンにはQRコードが付いており、読み取ると使用方法の動画を見られます。操作が分からないときは、3階カウンターのトレーナーへ機械の使い方を聞くこともできます。
初めて使う日は、重さを決める前にプーリーの動かし方や実機の操作を確認しておくとスムーズです。
公式サイトではアジャスタブルケーブルクロスオーバーの設置は確認できますが、ロープやストレートバーなど個別のアタッチメント構成までは掲載されていません。使いたいものが決まっている場合は、来店時に実機で確認してください。
ケーブルマシン自体のプーリー調整や基本操作を先に知りたい場合は、アジャスタブルケーブルクロスオーバーの使い方を解説した記事 も参考にできます。
ケーブルアップライトロウのよくある質問
Q.
初心者は何kgから始めればいい?
決まったkgではなく、フォームを崩さず動かせる軽い設定から始めます。 ケーブルマシンは機種によって重量表示や滑車の構造が違うので、別のマシンで使っていた重量をそのまま当てはめず、実際の動きを見ながら少しずつ調整してください。
Q.
何回・何セット行えばいい?
目的によって変わるので、アップライトロウだけに決まった回数やセット数はありません。 初めてなら、まずは肘の軌道と上体を保てる重量でフォームを覚えます。慣れてから、筋力アップや筋肥大など目的に合わせて重量やセット数を調整してください。
Q.
サイドレイズとはどう使い分ける?
どちらも三角筋中部を使いますが、肘の動かし方が違います。 サイドレイズは肘の角度を大きく変えずに腕を横へ上げる動きが中心です。アップライトロウは肘を曲げながら引き上げるので、僧帽筋や腕も関わります。肩トレでは別の種目として使い分ければ大丈夫です。
まとめ|まずは軽い重量で肘の動きを覚えよう
ケーブルアップライトロウを初めて行うなら、プーリーを低い位置に合わせ、肘を左右へ広げるように引き上げます。引く高さは肘が肩付近まで来る位置を基準にして、無理に高く上げる必要はありません。
・フォーム :手で持ち上げるより、肘を外側へ動かす
・狙う部位 :三角筋中部だけでなく僧帽筋も使う
・アタッチメント :ロープ、バー、左右ハンドルで動かしやすさが変わる
・手幅 :肩幅程度から始めて調整する
・重量 :上体や肘の軌道を崩さず動かせる重さから始める
LIFIX GYMにはアジャスタブルケーブルクロスオーバーがあります。初めて使う場合は、まず軽い重量で動きを試してみてください。操作で迷ったら、マシンのQR動画や3階カウンターも利用できます。