
運動を始めても面倒になって続かない、激しい動きは体力的に厳しい、自宅でジャンプすると音が気になる。このような人が取り入れやすい選択肢の一つが、ローインパクト運動です。
ローインパクトとは、ジャンプや着地などによる身体への衝撃を抑えた運動を指します。「ロー」という言葉が付いていますが、必ずしも楽な運動や低強度の運動という意味ではありません。
この記事では、器具を使わずに自宅でできる運動、5~10分で試せるメニュー、座ったまま・寝たまま行える動き、ジムで迷ったときの種目選びを初心者向けに解説します。
最初に覚えておきたいポイント
・ローインパクトは「運動のきつさ」ではなく「身体への衝撃」に注目した言葉
・ジャンプをしなくても、傾斜や抵抗によって運動強度を調整できる
・最初は1~5分、通常は5~10分程度から始める
・種目数を増やすより、続けられる動きを1~3種類に絞る
ローインパクトとは身体への衝撃を抑えた運動
ローインパクトは、特定の一種目の名前ではありません。足が床へ着くときの衝撃や、ジャンプの有無に着目した運動の分類です。
エアロビクスでは片足が床についた動きを指す
エアロビクスにおけるローインパクトは、一般的に左右どちらか一方の足が床に接しており、跳び上がる動きを抑えたステップを指します。
その場で歩く「マーチ」や、左右へ一歩ずつ動く「ステップタッチ」などが代表例です。音楽に合わせた運動でも、必ずジャンプする必要はありません。
自宅では、足裏を静かに置ける動きから始めましょう。
広い意味では床への着地がない運動も含まれる
フィットネス全般では、ウォーキングのように着地の衝撃を抑えやすい運動に加え、フィットネスバイク、クロストレーナー、水泳などもローインパクト運動として扱われます。
フィットネスバイクは足がペダルから離れず、水泳は床へ着地する動作がありません。立ったまま行う運動に限らず、座った姿勢や寝た姿勢で行う運動も選べます。
共通しているのは、勢いよく跳び上がって着地する動きが少ないことです。
ローインパクトは「簡単な運動」という意味ではありません。ジャンプのない動きでも、速度や抵抗を上げれば息が弾む運動になります。
ローインパクトと似た運動用語の違い
ローインパクト、低強度、低負荷は似た場面で使われますが、注目している点が異なります。違いを知っておくと、運動メニューを選びやすくなります。
低強度・低負荷は運動のきつさや負荷を表す
ローインパクトと低強度は同じ意味ではありません。ローインパクトは主に着地などの衝撃を表し、低強度は息の上がり方や心拍数などから見た運動のきつさを表します。
低負荷は、筋肉や身体にかける負荷が比較的小さい状態を表す言葉です。軽い重量で行う筋力トレーニングや、マシンの抵抗を低くした運動などが該当します。
ジャンプをしなくても、傾斜や抵抗を上げれば運動のきつさは高くなります。
ハイインパクトはジャンプや着地の衝撃が大きくなりやすい
ハイインパクトは、両足が床から離れるジャンプやホップ、ランニングなどを含み、着地時の衝撃が大きくなりやすい運動です。
縄跳び、ジャンピングジャック、ジャンプスクワットなどが代表例です。ハイインパクトが悪い運動という意味ではなく、体力や目的によって適した方法が異なります。
運動を久しぶりに再開する場合や、自宅で静かに動きたい場合は、ローインパクトから始める方法があります。
HILITは運動形式・Zone 2は心拍強度の目安を表す
HILITは「High Intensity Low Impact Training」の略です。ジャンプなどの衝撃を抑えた動作を使いながら、運動と休憩を交互に行います。
Zone 2は、心拍数などを参考に運動強度を分けたときの一つの範囲です。一般的には、会話を続けられる程度の比較的穏やかな有酸素運動を説明する際に使われます。
HILITは運動の組み立て方、Zone 2は運動中のきつさを確認する目安です。初心者は用語を暗記するより、まず会話できる強度で5分動くことから始めましょう。
ローインパクト運動を取り入れやすい人
運動を初めて行う人や久しぶりに再開する人
運動経験が少ない人は、難しい種目を何種類も覚えるより、足踏みや椅子からの立ち座りなど、日常動作に近い運動から始める方が取り組みやすくなります。
最初から30分や1時間を目標にする必要はありません。まずは1分、通常は5分、余裕がある日は10分というように、体調に合わせて量を変えましょう。
面倒な日でも始められる「最低ライン」を1分に設定してください。
ジャンプやランニングが苦手な人
有酸素運動は、走ったり跳んだりしなければできないものではありません。その場歩き、ウォーキング、サイクリング、フィットネスバイクなども、身体を連続して動かす運動です。
立つこと自体が面倒な日は、椅子に座って左右の膝を交互に上げる、かかとを上げ下げする、腕を前後に振るといった動きへ変更できます。
寝たまま行いたい日は、仰向けでお尻を上げるヒップリフトや、かかとを床に滑らせる膝曲げを選べます。
着地音を抑えて自宅で運動したい人
ローインパクト運動は、両足で跳び上がる動きを避けやすいため、集合住宅や夜間の自宅トレーニングにも取り入れやすい方法です。
ただし、足踏みやスクワットでも、かかとを強く落とすと音が出ます。足裏を静かに置き、速さよりも動作の丁寧さを優先しましょう。
畳一畳ほどの範囲でも、その場歩き、椅子スクワット、壁プッシュアップを行えます。
ローインパクト運動の種類と目的別の選び方
運動を選ぶときは、消費カロリーの数字だけではなく、準備の手間や実施する場所まで考えます。続ける自信がない人ほど、すぐに始められる種目を優先しましょう。
自宅では足踏み系とジャンプなしの筋力トレーニングを選ぶ
自宅では、有酸素運動を一つ、筋力トレーニングを一つ選ぶだけでも構いません。種目を増やしすぎると、順番を考えること自体が面倒になるためです。
立って行う:その場歩き、ステップタッチ、椅子スクワット
座って行う:座ったままの足踏み、膝伸ばし、かかとの上げ下げ
寝て行う:ヒップリフト、かかとを滑らせる膝曲げ
迷ったら、その場歩きと椅子スクワットの2種類に絞りましょう。
屋外ではウォーキングやサイクリングを選ぶ
運動のためだけに外出するのが面倒な人は、買い物、通勤、昼休みなどの移動を活用します。
昼食後に5分歩く、店内を一周してから買い物を始めるなど、普段の行動へ追加する方法なら新しい予定を作る必要がありません。
サイクリングを行う場合は、交通量、路面状況、天候を確認し、速度を競わずに行いましょう。
ジムではバイク・クロストレーナー・傾斜ウォーキングを選ぶ
ジムで何をすればよいか分からない場合は、最初から多くのマシンを回る必要はありません。まず有酸素マシンを一つ選び、5~10分動くことから始めます。
フィットネスバイク:座った姿勢で運動したい人
クロストレーナー:腕と脚を一緒に動かしたい人
傾斜ウォーキング:走らずに運動のきつさを調整したい人
慣れるまでは、毎回同じマシンでも問題ありません。使う設備を固定すると、ジムへ着いてから迷う時間を減らせます。
LIFIX GYMには50種類以上のトレーニング機器があり、各マシンのQRコードから使い方の動画を確認できます。
初回は「有酸素マシン1台+筋力マシン1台」から始めましょう。
水中では水泳や水中ウォーキングを選ぶ
プールを利用できる人は、水泳や水中ウォーキングもローインパクト運動の選択肢です。泳ぐことが苦手な場合は、水中を前後に歩く方法があります。
ただし、着替えや移動が負担になって続かないのであれば、無理に水中運動を選ぶ必要はありません。運動そのものだけでなく、準備時間まで含めて選びましょう。
初心者が自宅で試す10分ローインパクトメニューの一例
以下は、畳一畳ほどの範囲で行える10分メニューです。キャスターのない椅子と、手をつける壁を用意してください。
1
最初の2分はゆっくりその場歩き
左右の足を交互に持ち上げ、足裏を静かに床へ置きます。ふらつく場合は、椅子の背もたれや壁へ軽く手を添えてください。
2
ステップタッチを1分
右へ一歩動いて左足を寄せ、次は左へ一歩動いて右足を寄せます。移動幅は小さくても構いません。
3
椅子スクワットを1分
椅子の前に立ち、お尻を後ろへ引きながらゆっくり座ります。座ったら反動を使わずに立ち上がります。
4
壁プッシュアップを1分
壁へ両手を置き、肘を曲げて胸を壁へ近づけます。次に壁を押し、元の姿勢へ戻ります。
5
3種目をもう一度繰り返す
ステップタッチ、椅子スクワット、壁プッシュアップを各1分ずつ行います。疲れた場合は30秒ずつでも構いません。
6
最後の2分は動きを小さくする
その場歩きに戻り、少しずつ速度を落とします。急に動きを止めず、呼吸が落ち着くのを確認してください。
面倒な日の3分版
・その場歩き:1分
・椅子スクワット:1分
・壁プッシュアップ:1分
ローインパクトのまま運動強度を上げる方法
速度だけでなくマシンの傾斜や抵抗を調整する
運動が物足りなくなっても、すぐに走ったり跳んだりする必要はありません。
トレッドミルでは歩く速度を大きく変えずに傾斜を少し上げ、バイクやクロストレーナーでは抵抗を一段階ずつ上げます。
速度・傾斜・抵抗のうち、最初は一つだけ変更しましょう。
腕の動きや無理のない範囲で動作を大きくする
自宅での足踏みやステップタッチは、足の速さを上げるだけでなく、腕を前後に振ることで全身を使う動きへ変えられます。
ただし、肩や腰を無理にひねったり、勢いをつけたりする必要はありません。姿勢を保てる範囲で、腕の振りや歩幅を少しずつ変えましょう。
セット間の休憩を調整して運動中の強度を変える
同じ3種目でも、長く休む場合と短い休憩で続ける場合では、運動中のきつさが変わります。
初心者は30~60秒程度休み、余裕が出てきたら10秒ずつ短くします。疲れて姿勢が崩れる場合は、休憩を減らさないでください。
休憩はサボりではなく、次の動作を落ち着いて行うための時間です。
会話のしやすさや自覚的なきつさで強度を確認する
運動中の強度は、心拍計がなくても会話のしやすさから確認できます。会話はできるものの、歌い続けるのは難しい程度が、中程度の運動強度を見分ける目安の一つです。
数語を話すたびに息を整える必要がある場合は、速度や抵抗を下げます。
初心者は、会話が無理なく続く強度から始めてください。
ローインパクトをダイエットや体力づくりに取り入れる方法
消費エネルギーは衝撃の大きさだけでは決まらない
ローインパクトだから消費エネルギーが必ず少ない、ハイインパクトだから必ず多いとは限りません。運動時間、速度、傾斜、抵抗、体格などによって変わります。
ローインパクト運動は、体重管理を目的とした身体活動の一つとして取り入れられますが、特定の運動だけで体重の変化が決まるわけではありません。
トレーニング以外の日常の活動量も合わせて考える
運動時間を確保できない日は、日常生活で身体を動かす回数を増やします。座り続ける時間を区切って立つ、電話中にゆっくり歩く、家事の合間にかかとを上げ下げするといった方法があります。
まとまった運動ができなかった日も、すべてを諦める必要はありません。まずは今より少しだけ身体を動かす時間を増やしましょう。
有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせる
ウォーキングや足踏みなどの有酸素運動だけでなく、椅子スクワットや壁プッシュアップなどの筋力トレーニングを組み合わせると、同じ場所でも動きに変化をつけられます。
最初から多くの種目を行う必要はありません。有酸素運動を一つ、筋力トレーニングを一つ選び、慣れてから追加します。
まず5分動くことと、長期的な運動量の目安は分けて考えましょう。
生活の中で継続しやすい種目と頻度を選ぶ
理想的なメニューでも、準備に時間がかかりすぎると続きにくくなります。着替えが面倒なら、普段着でもできる足踏みを選ぶなど、準備の手間も含めて決めましょう。
最低ライン:1分だけ身体を動かす
通常ライン:5~10分行う
余裕がある日:時間を延ばすか、もう1周行う
複数の基準を用意しておけば、予定どおりできなかった日も運動習慣を中断せずに済みます。
ローインパクト運動を始めるときの注意点
ローインパクトでも身体への負担がなくなるわけではない
ローインパクトは着地による衝撃を抑えやすい運動ですが、筋肉や関節への負担がすべてなくなるわけではありません。
スクワットの姿勢、マシンの抵抗、運動時間によって負担は変わります。「ローインパクトだから誰でも安全」と判断せず、体力や体調に合わせて調整してください。
痛み・しびれ・めまい・強い息苦しさが出たら中止する
筋肉を使った疲労感と、鋭い痛みやしびれは同じではありません。運動中に症状が強くなる場合は、無理に回数を続けず中止します。
めまい、胸部の違和感、通常とは異なる強い息苦しさが出た場合も運動をやめ、必要に応じて医療機関へ相談してください。
強い疲労や痛みが残る日は休むか内容を軽くする
前日の疲労が強く残っている場合は、同じ量を繰り返さず、運動時間を短くするか、椅子に座った足踏みなどへ変更します。
休む日を入れても、それまでの運動が無駄になるわけではありません。体調が戻ったら、1~3分の短縮メニューから再開しましょう。
持病や運動制限がある場合は事前に医師などへ相談する
治療中の病気がある人、医師から運動を制限されている人、運動によって悪化する痛みがある人は、自己判断でメニューを決めないでください。
同じローインパクト運動でも、体調や症状によって適した種目や強度は異なります。
滑りにくい場所と動きやすい服装・靴を準備する
運動前には、足元のコード、ラグ、家具などを片付けます。椅子を使う場合は、キャスターがなく、運動中に動かないものを選んでください。
床が滑りやすい場合は、動作に合った靴を使用します。靴下のまま動くと足が滑ることがあるため注意しましょう。
注意しておきたいこと
・痛みを我慢して続けない
・速度、時間、負荷を一度に増やさない
・不安定な椅子や滑りやすい床で行わない
・体重減少や身体の変化を保証する運動ではない
ローインパクトに関するよくある質問
Q.
ローインパクト運動は毎日行ってもよいですか?
軽い内容で疲労や痛みが残っていなければ、日常生活に取り入れる方法があります。ただし、ローインパクトでも運動時間や抵抗を増やせば負担は高くなります。疲労が残る日は休むか、座った足踏みなどへ変更してください。
Q.
5分だけでも運動する意味はありますか?
5分でも、身体を動かす習慣を始めるきっかけになります。長時間を目標にして何もしなくなるより、5分を繰り返し、余裕が出てから時間を延ばす方が取り組みやすいでしょう。
Q.
ローインパクト運動でもダイエットに取り入れられますか?
体重管理を目的とした身体活動の一つとして取り入れられます。ただし、体重の変化は運動だけでは決まりません。食事、日常の活動量、睡眠、運動の時間や強度も合わせて考えます。
Q.
膝や腰に痛みがあるときもできますか?
痛みの原因や状態によって異なるため、ローインパクトだからできるとは断定できません。動作中に痛みが強くなる場合、しびれや腫れがある場合、治療中の場合は自己判断で続けず、医師などへ相談してください。
Q.
ジム初心者はどの運動から始めればよいですか?
まずフィットネスバイクかウォーキングを5~10分行い、筋力マシンを一つ追加する方法が分かりやすいでしょう。毎回多くのマシンを回る必要はありません。使う設備を固定し、慣れてから一つずつ増やしてください。
まとめ
ローインパクトとは、ジャンプや着地などによる身体への衝撃を抑えた運動です。低強度と同じ意味ではなく、傾斜や抵抗、腕の動き、休憩時間によって運動のきつさを調整できます。
・意味:着地などの衝撃に注目した運動の分類
・自宅運動:その場歩き、椅子スクワット、壁プッシュアップから始める
・継続方法:最低1分、通常5~10分、余裕がある日は追加する
・ジムでの選び方:有酸素マシン1台と筋力マシン1台に絞る
・注意点:痛みや強い疲労を我慢せず、休むか内容を軽くする
自宅では続かない、ジムに行っても何をすればよいか分からない場合は、運動時間、現在の体力、苦手な動きを整理し、実施する種目を少数に絞る方法があります。
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