
筋トレを始めると、「前回より重くしないと意味がない?」「12回できたら、すぐ次の重量に変える?」と迷うことがあります。結論からいうと、プログレッシブオーバーロードは毎回重量を増やすことではありません。今の重量のまま回数を伸ばすことも、トレーニングを進める方法のひとつです。
プログレッシブオーバーロードとは、トレーニングで身体にかける負荷を、長い期間で見ながら段階的に高めていく考え方です。重量だけを追うのではなく、同じフォームで行える回数なども比べながら進めます。考え方そのものを詳しく知りたい場合は、オーバーロードの原理を解説した記事も参考にしてください。
この記事では原理全般を繰り返すのではなく、初心者にも判断しやすい「8〜12回」を例に、今の重量を続ける場合、回数を増やす場合、次の重量を試す場合を整理します。ダンベルやマシンの重量差が大きいときや、前回より伸びなかったときの考え方まで確認していきましょう。
最初に覚えておきたい進め方
・決めた回数の範囲で、まず今の重量を安定させる
・上限の回数を同じフォームで行えたら、次の重量を試す
・重くした途端にフォームが変わるなら、前の重量へ戻してよい
プログレッシブオーバーロードは「毎回重くする」ことではない
前回より重量を増やせない日があっても、それだけでトレーニングが進んでいないとは判断しません。同じ重量で行える回数が増えるなど、前回と同じ条件で変わった部分を見ていきます。
重量だけでなく、同じ重量で回数を伸ばす方法もある
たとえば、ある種目を20kgで8回行った次のトレーニングで、同じ20kgを9回できたとします。重量は変わっていませんが、同じ重量で行えた回数は1回増えています。
重量を増やす方法と、重量を変えずに回数を増やす方法は、どちらもトレーニングを進める選択肢になります。初心者なら毎回重いダンベルやプレートへ変えようとせず、現在の重量で動作をそろえながら回数を伸ばす進め方も使えます。
「今日は何kg増やすか」だけでなく、「前回と同じ条件で何が変わったか」を見てください。
筋力を伸ばしたい場合と筋肉を大きくしたい場合では、優先する負荷の考え方が変わる
どのように負荷を進めるかは、目的によっても変わります。より重いものを持ち上げる力を伸ばしたい場合は、徐々に高い重量を扱うことが重要な要素になります。
筋肉を大きくすることを目的にする場合は、重量だけではなく、行ったセット数などを含めたトレーニング量も判断材料になります。そのため、「前回より重くできなかったから意味がない」と重量だけで評価する必要はありません。
筋トレを始めたばかりで目的を細かく決めていない場合は、まず扱いやすい重量でフォームをそろえ、決めた回数の範囲を安定して行える状態を作ると、その後の重量変更を判断しやすくなります。
初心者は「回数を伸ばす→重量を上げる」の順で進めると判断しやすい
重量を上げるタイミングで迷う場合は、先に回数の範囲を決めると判断しやすくなります。ここでは一つの運用例として8〜12回を使います。すべての種目や目的で8〜12回にする必要がある、という意味ではありません。
8〜12回と決めた場合は、まず同じ重量で上限の12回を目指す
8〜12回を自分の回数範囲として使う場合は、まずフォームを保ったまま8回以上行える重量を選びます。その重量で8回できたら、次は9回、10回というように、重量を変えず上限へ近づけていきます。
たとえば「20kgで8〜12回」と決めたなら、20kgのまま12回まで行える状態を目指します。11回だった日は、その記録を基準に次回も20kgで12回を目指せます。
回数範囲を決めたら、まず上限まで同じ動作で行えるかを確認します。
複数セットでは、設定した回数を安定して行えるかを見て次の重量を決める
セットとは、一続きで行う運動のまとまりです。3セット行う場合、「1セット目だけ12回できたら重くする」のか、「3セットをそろえてから重くする」のかを最初に決めておくと、毎回の判断がぶれにくくなります。
この記事では初心者向けの分かりやすい運用例として、3セットとも上限の12回をおおむね同じフォームで行えたら、次回に一段階重い重量を試すという基準を使います。12回・11回・9回だった日は、今の重量を続けるという考え方です。
これはすべてのトレーニングに共通する決まりではありません。別のプログラムで重量変更の基準が決められている場合は、その方法を優先してください。
重量を上げて回数が下限付近に戻ったら、その重量でまた回数を伸ばす
前の重量で12回できるようになり、次の重量へ上げたあとに8〜9回へ戻ることはあります。重量を上げた直後まで、前と同じ12回をそろえる必要はありません。
新しい重量でも設定した8〜12回の範囲に入り、フォームを保てるなら、その重量で再び回数を伸ばしていきます。8回、9回、10回と進み、上限まで安定したら次の重量を検討する流れです。
新しい重量では8回の設定なのに5〜6回しか行えないなど、下限から大きく外れる場合は、前の重量へ戻して続ける選択肢があります。
重くするとフォームが崩れるなら、前の重量を続ける
フォームとは、運動するときの姿勢や身体の動かし方です。重量を上げた結果、身体を大きく反らす、反動を使う、予定していた範囲まで動かせなくなる場合は、前回と同じ条件で回数を比べにくくなります。
前回まで安定して動かせていた種目で、新しい重量にすると姿勢が大きく変わる場合は、いったん前の重量へ戻してかまいません。そこで動作と回数をそろえ、別の日にもう一度試せます。
重量の数字だけでなく、前回と同じ動きで行えたかも一緒に見てください。
ダンベルやマシンの重さが一気に上がるときは、今の重量で回数を伸ばす
使っている器具の次の重量が重すぎる場合は、現在の重量を続けながら回数を安定させる方法があります。器具によって選べる重量の幅が違うため、「必ず何kgずつ上げる」と固定せずに判断します。
次の重量で回数が大きく落ちるなら、すぐに重くしなくてもよい
ダンベルやマシンは、好きな重さへ自由に変えられるとは限りません。器具によっては、次に選べる重量へ変えただけでも負荷が大きく変わります。
8〜12回を例にするなら、次の重量ではフォームを保ったまま8回まで行えない場合、現在の重量を続けながら上限付近の回数を安定させます。その後に同じ一段階上の重量を改めて試して、下限まで行えるかを確認します。
それでも下限へ届かない場合は、その器具では現在の重量を続ける選択もできます。重量が変わっていなくても、各セットの回数や動作が安定しているかは引き続き比べられます。
細かく重量を変えられる場合は、一段階ずつ試す
器具側で細かく重量を変更できる場合は、利用できる一段階上の重量から試します。すべての種目に共通する「○kgずつ」という数字を決める必要はありません。
種目によって扱える重量は大きく異なります。同じ重量差でも、脚を中心に使う種目と腕を中心に使う種目では、負担の変化を同じようには扱えません。
一段階上を試したら、設定した回数とフォームを保てるかを見て、その重量を続けるか決めます。
前回より重量や回数が伸びなくても、1回だけで停滞とは決めない
一度だけ前回の記録を超えられなかった場合は、その結果だけで停滞と決めず、直近の数回を並べて見ます。一日の最高記録ではなく、同じ条件でどのように変化しているかを見るためです。
トレーニングを続けても毎回同じペースで数字が伸びるとは限らない
筋トレを始めたばかりでも、「前回は10回だったのに今回は9回だった」という日はあります。そのたびに重量や種目を変更すると、同じ条件での変化を追いにくくなります。
また、トレーニングを続けるほど、毎回重量を増やすような進み方が続くとは限りません。プログレッシブオーバーロードは、一回ごとの記録更新を義務にするものではなく、一定期間の中で負荷を進めていく考え方です。
前回と同じ重量・同じ回数だった日も、その記録を次回の比較材料として残せます。
数回分を同じ種目・重量・フォームで比べて変化を見る
確認する項目は複雑にしなくてかまいません。同じ種目について、重量と各セットの回数を数回分並べると、今の重量で回数が伸びているのかを見やすくなります。
初心者期の重量・回数・フォームの記録方法については、ニュービーゲインの記事でも詳しく整理しています。本記事では、その記録を「次の重量へ進むかどうか」の判断に使います。
一日の記録だけで決めず、直近の数回を同じ条件で比べます。
しばらく伸びない場合は、さらに重くする前に現在の条件を見直す
同じ種目で重量も回数も変わらない状態が続いたら、まず設定している重量が今の回数範囲に合っているかを見ます。
あわせて、セット間の休憩が以前より短くなっていないか、種目の順番を毎回大きく変えていないかなど、比較条件も確認します。条件が違えば、重量や回数だけでは変化を判断しにくくなります。
比較条件をそろえても変化が見えない場合に、重量・回数・セット数などのうち一つを調整すると、何を変えたのか追いやすくなります。
重量や回数を増やすときはフォームと可動域も同じ条件にそろえる
数字が増えていても、動き方まで大きく変わっていれば前回と同じ条件では比べにくくなります。重量や回数と一緒に姿勢と可動域も見ます。可動域とは、関節や身体を動かしている範囲のことです。
反動を使ったり動かす範囲が狭くなったりした回数は分けて考える
前回は身体を安定させて10回行ったのに、今回は反動を使って12回行った場合、「同じ動きのまま2回伸びた」とは扱いにくくなります。
同じように、重くしたことで動かす範囲が狭くなった場合も以前とは条件が変わっています。最後の数回だけ動きが変わった場合は、その点を記録しておくと次回の比較に使えます。
細かく採点する必要はありませんが、自分の中で「1回として数える動き」を大きく変えないようにすると、前回との差が分かりやすくなります。
数字を伸ばすためにフォームを崩してまで重量を上げない
重量は分かりやすい数字ですが、重量を増やすこと自体が目的になると、これまでと違う動かし方で無理に回数をそろえやすくなります。
新しい重量を試してフォームが大きく崩れたら、その日は前の重量へ戻してもかまいません。そこで回数を安定させてから、別の日に改めて試せます。
「重くできたか」より先に、「これまでと同じ動きを保てる重さか」を見ます。
痛みや強い違和感がある日は、記録更新より運動を中止する
トレーニング中にいつもと違う強い痛みや体調の異変が出たときは、その日の重量・回数を伸ばすことより運動を止める判断を優先します。
具体的に中止した方がよい状態は、次の項目を目安にしてください。
運動を中止した方がよい状態
・強い痛みや腫れ、しびれが出た
・めまい、吐き気、胸の違和感、息苦しさがある
・違和感が続く場合は、必要に応じて医療機関へ相談する
LIFIX GYMでは、各トレーニングマシンに使用方法の動画を確認できるQRコードが付いています。また、公式FAQでは3階カウンターのトレーナーにマシンの使い方を確認できることも案内しています。
初めて使うマシンは、重量を増やす前に使い方と動作を確認してから記録を始めてみてください。
プログレッシブオーバーロードでよくある疑問
ここでは、本文の進め方を実際のトレーニングへ当てはめるときに残りやすい疑問を整理します。
Q.
重量を上げる幅は何kgが目安ですか?
すべての種目に共通する「○kg増やす」という基準はありません。使っている器具で選べる一段階上の重量を試し、設定した回数範囲とフォームを保てるかを見ます。負荷が大きく変わって下限の回数に届かない場合は、今の重量を続ける方法があります。
Q.
ダンベルとマシンでも同じ進め方を使えますか?
「回数を伸ばし、上限まで安定したら次の重量を試す」という考え方はどちらでも使えます。ただし、選べる重量や一段階の幅は器具によって違います。ダンベルとマシンのkgを直接比較せず、それぞれの種目ごとに前回の記録と比べてください。
Q.
自重トレーニングで回数が増えすぎたら次は何を変えますか?
回数だけを増やし続けず、少し難しい動きへ変える方法があります。自重トレーニングとは、自分の体重を主な負荷に使う運動です。姿勢や支持の仕方を変えて難度を上げる、無理のない範囲で動かす範囲を広げるなど、種目に合った方法で段階を変えます。
Q.
限界まで追い込むこととプログレッシブオーバーロードは同じですか?
同じ意味ではありません。プログレッシブオーバーロードは、重量や回数などの負荷を時間をかけて進める考え方です。一方、限界まで行うことは、一つのセットをどこまで反復するかという別の要素です。毎セット動けなくなるまで続けることを条件にする必要はありません。
Q.
重量・回数・セット数を同じ日に全部増やしてもよいですか?
初心者が記録を比べるなら、一度に変える項目を絞った方が判断しやすくなります。重量を上げる日は回数を設定範囲の下側から始めるなど、何を変えたのか分かる状態にすると、次回の調整を決めやすくなります。
まとめ|まずは今の重量で回数を伸ばし、安定したら次の重量を試そう
プログレッシブオーバーロードは、トレーニングのたびに重量を増やし続ける方法ではありません。初心者なら先に回数の範囲を決め、現在の重量で上限まで安定して行えるようになってから次の重量を試すと、進む基準を作れます。
迷ったときは重量の数字だけではなく、回数、フォーム、可動域が前回と同じ条件になっているかも一緒に見てください。
・最初に行うこと:使う種目と回数範囲を決め、今の重量で何回できるか残す
・重量を上げる目安:設定した上限回数を同じフォームで安定して行えたら、一段階上を試す
・次の重量が重すぎる場合:今の重量を続け、設定した回数範囲の中で安定させる
・迷った場合:数字を増やすことより、前回と同じ条件で比較できる状態を優先する
次のトレーニングでは、まず一つの種目だけでも重量と各セットの回数を残し、次回の判断材料にしてみてください。

↓体験パーソナルの詳細はこちら↓

ACCESS|当店へのアクセス
近鉄・大阪メトロ
・日本橋駅から徒歩5分
・大阪メトロなんば駅から徒歩20分
住所 〒542-0082 大阪市中央区島之内2-17-13
TEL 06-6227-8844
営業時間 24時間営業(スタッフアワー 9:30〜21:00)
定休日 不定休