
ケーブルプッシュダウンを始めようとしても、「滑車はどの高さ?」「何kgから?」「ロープとバーはどちらを使う?」と、最初の設定で迷いやすい種目です。
ケーブルプッシュダウンは、上から引かれるケーブルを肘の曲げ伸ばしで押し下げ、上腕三頭筋(二の腕の裏側)を鍛えるトレーニングです。初心者なら、滑車を高い位置にセットし、10〜12回目あたりでフォームを崩さずにきつくなる重量から始めると動きを覚えやすくなります。
この記事では、最初の高さ・立ち位置・重量から、上腕三頭筋に効かないときの直し方、ロープとバーの選び方まで、ジムでそのまま試せる形で説明します。
ケーブルプッシュダウンを始める前に、高さ・立ち位置・重量を決める
最初に合わせたいのは、滑車の高さ、立つ位置、重量の3つです。ここが決まると、1回目から肘の曲げ伸ばしに集中できます。
最初の1セットはこの形から
・滑車は頭より高い位置へセットする
・肘を体の横に置ける距離に立つ
・10〜12回目あたりでフォームを保ったままきつくなる重量を選ぶ
滑車を頭より高い位置にセットし、肘を体の横に置ける距離に立つ
滑車は、まず頭より高い位置にセットします。ロープやバーを握ったら、肘を曲げた状態で上腕を体の横へ置きます。
ケーブルに引かれて肩が前へ出るなら、マシンへ少し近づきます。反対に、押し下げたバーが早い段階で太ももへ当たるなら、半歩ほど後ろへ移ります。
足幅は腰幅程度が目安です。上体は軽く前へ傾けても構いませんが、背中を丸めず、セット中は同じ角度を保ちます。
10〜12回目でフォームを保ったままきつくなる重量から始める
初めて使うマシンでは、「20kg」「30kg」といった表示重量より、最後まで同じフォームで動かせるかを基準にします。
ケーブルマシンは構造が機種ごとに異なるため、別のマシンで扱った20kgと、目の前の20kgが同じ感覚になるとは限りません。最初は次の状態を目安にしてください。
・10〜12回目あたりで上腕三頭筋がきつくなる
・最後まで肘の位置を大きく動かさずに押せる
・上体を上下させたり、体重を乗せたりせずに動かせる
・戻すときも重りに引っ張られず、自分で速度を調整できる
12回前後を2〜3セット行い、セット間は1〜2分ほど取ります。肘の位置と上体を保てるところまで回復してから次のセットへ入ります。
2〜3セットとも12回を安定してできるようになったら、次回はマシンで選べる最小単位だけ重量を上げます。
手首を反らさず、前腕から手まで自然につながる位置で持つ
バーやロープを握ったときは、手首を大きく反らせず、前腕から手の甲までがおおむね一直線になる位置を作ります。
バーなら手のひらを下へ向けて握り、ロープなら左右の端をそれぞれ持ちます。持ち手を強く握り込みすぎて前腕が先に疲れるなら、落とさない範囲で握る力を少し抜きます。
ストレートバーで手首が窮屈に感じる場合は、利用できるロープや別形状のバーへ替えます。痛みの出る角度を我慢して続ける必要はありません。
ケーブルプッシュダウンは、肘の位置を保ったまま押してゆっくり戻す
基本動作はシンプルです。上腕の位置を大きく変えず、肘を伸ばした結果として持ち手が下がる形を作ります。
上腕を体の横に置き、肘から先を動かす
スタート位置では、肘を曲げて上腕を体の横へ置きます。そこから上腕の位置を保ったまま肘を伸ばし、持ち手を床へ向かって押し下げます。
肩から押し込むのではなく、肘を伸ばした結果としてロープやバーが下がる感覚です。肘が前後へ大きく移動すると、肩や背中の動きも加わります。
反対に、肘を脇腹へ強く押し付ける必要もありません。肩をすくめず、手首を反らさず、肘を体の横に置ける位置を探します。
下まで押したら肘を伸ばし、戻すときも重りをコントロールする
持ち手を押し下げたら、肘が伸びるところまで動かします。最後に勢いを付けて肘をロックするのではなく、上腕三頭筋に力が入った状態で一度動きを止めます。
そこから、重りに引っ張られないように戻します。ウェイトスタックが毎回「ガシャン」と落ちるなら、重量が重すぎるか、戻す速度が速すぎる状態です。
持ち手が上へ戻る力に合わせるのではなく、自分でブレーキをかけながら戻します。
上体を動かして押すようになったら、重量を下げる
少し前傾すること自体より、重量に負けて1回ごとに上体が上下する方が問題です。
たとえば30kgでは身体ごと沈み込まないと押せず、20kgなら肘の曲げ伸ばしだけで12回動かせるなら、フォームを覚える段階では20kgを使います。
表示重量を増やすことより、同じ姿勢と可動域を繰り返せる重量を選ぶ方が、上腕三頭筋へ負荷を集めやすくなります。
ケーブルプッシュダウンが効かないときは、先に疲れる場所から直す
「三頭筋より肩が疲れる」「前腕が先にきつくなる」「後半になると最後まで押せない」。こうした違いを見ると、直す場所を絞れます。
肩が先に疲れるときは、肘が前後していないかを見る
押すたびに肘が後ろへ移動し、戻すときに大きく前へ出ると、肘の曲げ伸ばしだけではなく肩の動きも増えます。
・肩をすくめない
・上腕を体の横へ置く
・肘を曲げ伸ばして持ち手を動かす
一度重量を下げ、この3点だけで10回ほど試します。二の腕の裏側に負荷が乗るなら、重量を上げる前に肘の位置を整える方が先です。
前腕や手首が先に疲れるときは、握り方と持ち手を変える
前腕も持ち手を支えるために使いますが、上腕三頭筋より先に握れなくなるなら、バーを強く握り込みすぎていないか、手首が反っていないかを見ます。
ストレートバーで手首が窮屈なら、手幅や手首の向きを変えられるロープの方が扱いやすい場合があります。反対に、ロープで左右の手がばらつくなら、バーの方が動きをそろえやすくなります。
ロープかバーかで迷ったら、肘と手首がぶれにくい方を選びます。
10〜12回目まで押し切れないなら、重量を下げる
最初の数回は最後まで押せても、後半になると肘が曲がったまま止まるなら、現在の重量では可動域を保てていません。
重量を一段階下げ、10〜12回目まで同じ範囲を動かせるか試します。負荷を上げる方法は、重量を増やすことだけではありません。
・戻す動作を急がない
・疲れても可動域を短くしない
・肘の位置をそろえる
・同じ重量で安定して12回できるようにする
ケーブルプッシュダウンのロープとバーは、手首とフォームの安定感で選ぶ
ロープとバーは、どちらもケーブルプッシュダウンに使えます。初心者は細かな鍛え分けより、手首が無理なく動き、同じフォームを繰り返せるかで選ぶ方が実用的です。
ロープは手幅や手首の向きを自分に合わせやすい
ロープは左右の手が独立しているため、手幅を固定されません。押し下げた位置で左右へ少し開くこともでき、自分の肩幅や手首の向きに合わせられます。
バーで手首が窮屈に感じる人や、バーが太ももへ当たって最後まで下ろしにくい人には試しやすい持ち手です。
自由に動く分、疲れてくると左右の高さがずれることがあります。鏡で見られる場合は、片方だけ先に下がっていないかも見てください。
バーは両手の位置をそろえやすく、同じ動きを繰り返しやすい
バーは左右の手が一本の持ち手でつながるため、毎回同じ幅で握れます。ロープでは手の位置が安定しない人なら、バーの方が動作を覚えやすい場合があります。
・どこを握ったか
・どこまで押したか
・肘をどこへ置いたか
この3点をそろえやすいのが利点です。ストレートバーで手首に違和感がある場合は、利用できる別の持ち手へ替えます。
左右で動きが違うと感じたら、ワンハンドでも確かめられる
両手で行うと、片方の腕が強く押していても気づきにくいことがあります。片手用ハンドルなどを使える環境なら、片腕ずつ行うワンハンドも選択肢です。
右だけ肩が前へ出る、左だけ手首が曲がるといった違いを片側ずつ見られます。
毎セット行う必要はありません。左右で動きが違うと感じたときや、両手ではフォームをつかみにくいときに使います。
ケーブルプッシュダウンについてよくある疑問
Q.
ケーブルプッシュダウンとケーブルプレスダウンは違う種目ですか?
一般的には、同じ上腕三頭筋の種目を指す名称として使われています。「トライセプスプッシュダウン」「トライセプスプレスダウン」と呼ばれることもあります。上部のケーブルを使い、肘を伸ばして持ち手を下へ押す動作なら、今回説明している種目です。
Q.
胸のトレーニングと同じ日に行うなら、先と後のどちらですか?
その日に優先したい種目を先にします。胸を優先する日なら、ベンチプレスやチェストプレスなどを先に行い、その後にケーブルプッシュダウンを入れます。
胸のプレス種目でも上腕三頭筋を使うため、先にプッシュダウンで疲れさせると腕が先に限界になることがあります。上腕三頭筋を優先したい日は、プッシュダウンを早い順番へ持ってきても構いません。肩や背中も一緒に組みたい場合は、二の腕・肩・背中をまとめて鍛えるトレーニングも参考にできます。
Q.
ストレートアーム・プッシュダウンとは何が違いますか?
一番大きな違いは、肘を曲げ伸ばすかどうかです。ケーブルプッシュダウンは肘を伸ばして上腕三頭筋を鍛えます。ストレートアーム・プッシュダウンは肘をほぼ伸ばしたまま腕全体を上から下へ動かし、主に背中を狙う種目です。
Q.
肘に痛みが出たら、重量を下げれば続けてもいいですか?
肘に痛みが出た状態では、いったんセットを止めます。筋肉の疲労感と、関節や腱に感じる痛みは分けて考えます。
重量、手首の角度、肘の位置を見直し、軽い重量へ変更しても痛みが出るなら、その日のケーブルプッシュダウンは終了します。腫れ、強い痛み、しびれがある場合や、運動をやめても違和感が続く場合は、必要に応じて医療機関へ相談してください。
まとめ|ケーブルプッシュダウンは高さ・重量・肘の位置を決めてから始める
ケーブルプッシュダウンで最初に決めたいのは、細かなアタッチメントの違いより、滑車の高さ・重量・肘の位置です。
・高さ:滑車は頭より高い位置へセットする
・重量:10〜12回目あたりでフォームを保ってきつくなる重さを選ぶ
・回数:12回前後を2〜3セット行う
・動作:上体を大きく動かさず、肘を伸ばして押し下げる
・戻し方:重りに引っ張られず、最後まで速度をコントロールする
ロープとバーで迷ったら、手首が自然に動き、肘の位置が安定する方から使います。肩や前腕ばかり疲れる場合は、重量を増やす前に肘の位置と握り方を見直してください。


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